はじめに
「遊戯王」
最近よく耳にするその響きに懐かしさを感じてる人も多いのではないでしょうか。
どうして最近よく耳にするのかというと、Switch・PS4・PC・スマホとマルチプラットフォームにて遊べるゲームがリリースされたからです。
すぐに周りの決闘者たちは盛り上がり、それを見ていた僕も「どうせ今の遊戯王わからないけど周りの熱量が高いから触っておくかぁ~」という気持ちと懐かしさでプレイを始めました。
僕が最後に物理の紙で触ったのは20年ほど前になけなしの200円を握ってサウザンド・アイズ・サクリファイスが入ってそうなパックを吟味してコンビニのレジに持っていった頃です。
その後に戦いの場をインターネットに移し、CGIサイトでホルスの黒炎竜が出たあたりまでは触ってました。魔導サイエンティストが場に出された瞬間に敗北を察するときもたくさんありました。
そんな僕が約15年ぶりに遊戯王を触って学んだことを書き起こしておきます
そもそも用語やルールが違う
「〇〇を生贄にして××召喚」というフレーズを当時はよく耳にしました。
ですがこれを現在のルールで言うと「〇〇をリリースして××をアドバンス召喚」です。
さらに、当時強かったカードたちの中には効果を修正(エラッタ)されたものが数々あります。先程当時絶望した魔導サイエンティストと凶悪な1ターンキルを構築していたカタパルト・タートルもその1つです。
このようにまずは新しい用語とルールに慣れる必要があります。
まずはソロモードで現代遊戯王のルールを学ぼう
マスターデュエルのソロモードは結構充実しています。
いくつもある召喚方法を学ぶ座学から実践、さらに各ストーリーではストーリーとなっているテーマのデッキの使い方まで教えてくれます。
しかもCPUは結構頭が良いです。経験者いわく「割とそのテーマの回し方*1をちゃんとしてくる」とのことでした。
つまり、CPUの回し方を見ているとそのテーマの回し方を学べるようになっています。
15年も間が開いてると「え?儀式モンスターは儀式カードを通じて出すんじゃないのか!?」「融合モンスターって融合カードで出すんじゃないのか!?」と現代遊戯王の世界に驚かされっぱなしになりました。
自分のデッキを作ろう
さて、ルールは一通り触りました。いよいよ自分のデッキを構築しましょう。
その前に、自分がどういう性格かとまず相談をしましょう。
というのも、対人ゲームである遊戯王は基本的には勝敗がつきます。
勝敗というのは大事なモチベーションのファクターで、全然勝てないからつまらなくて飽きるなんてこともありえます。
勝ちがモチベに繋がるタイプであれば「昔やってたときにあのカード使ってたから使いたいな」とか「ソロモードのあのカード面白そうだったから使いたいな」とか「負けてもいいから現環境で強いとされてるカードは使いたくないな」とかそういうこだわりが無い限りは環境に通用するデッキテーマを選ぶべきだと思います。
リリースから1週間、既に「エルドリッチ」とか「閃刀姫」だとか「鉄獣戦線(トライブリゲード)」だとか強いとされるデッキの情報はSNSに無数に流れていますので、あとは感性に任せて選べばいいと思います。
なぜ感性に任せるかというと、どうせ長いブランク開けの知識量ではデッキの内容を見ただけで回し方の想像なんてつかないし、その回し方が性に合うかどうかもわからないからです。
とりあえずソロモードで勝ち筋を覚えよう
デッキができたらいよいよ実践です。
ソロモードには作ったデッキで挑むモードもあります。そしてクリア報酬に石をくれます。
つまり、作ったデッキの慣熟にはうってつけです。
このソロモードで自分のデッキのそれぞれのカードの役割とシナジーを実戦形式で整理していき、勝てる状況をどうやって作るかを覚えていきます。
兎にも角にもまずは勝ち筋をしっかり組めることが大事です。自分の回し方のミスで負けるのは悔しいですからね。
僕が最初に組んだデッキは「電池メン」というデッキです。環境的に強いデッキでは無いとは思いますが、なんとなく「電池メン」ってのあったよな?って思い出したから組みました。
まずは「電池メン デッキ」でググって適当に人気がありそうなデッキをコピーしてきて足りないカードをパック剥いて*2集めて構築します。
そしてソロモードで回し方を学ぶといくつか大事なことが見えてきます。
1回きりの召喚権をできるだけ使わないように回そう
通常召喚とアドバンス召喚は1ターンにどちらか1度しかできません。つまり1ターンにこの手順で出せるモンスターは1体です。この権利を召喚権と言います。
1体しか出せないならできるだけ強力なモンスターを出したいのが常ですが強力なモンスターは召喚が難しいことがほとんどです。
ではどうするかというと召喚権を使わない特殊召喚ならルール上は回数の制約はないので、基本的にこれを軸にモンスターを出していきます。
上に貼ってある僕の電池メンデッキで例を挙げてみましょう。
まず「雷帝家臣ミスラ」の効果を使います。するとミスラが場に特殊召喚され、相手の場にもトークンが召喚されます。
次に手札から「充電池メン」をミスラをリリースしてアドバンス召喚をします。これで召喚権は使い切りました。
「充電池メン」の効果が発動し、場に「電池メン-角型」を特殊召喚します。
「電池メン-角型」の効果でデッキから電池メンを1体手札に持ってこれます。
このときに手札と相談になりますが、ここでは都合の良い例として「漏電」と「燃料電池メン」が手札に残ってるとしましょう。
その場合は「電池メン-角型」の効果で「充電池メン」を手札に引き入れます。
すると、ミスラの効果によりアドバンス召喚だけはもう1度だけできるので、「電池メン-角型」をリリースして2体目の「充電池メン」をアドバンス召喚します。
再び「充電池メン」の効果により場に1体電池メンを特殊召喚できます。ここで「太陽電池メン」を特殊召喚します。
すると、太陽電池メンの効果で電池メンを1体墓地に送ります。
「墓地に送る効果」というのは一見デメリットに見えますが、現代遊戯王において「墓地からフィールドに特殊召喚する」と言ったカードは多数あり、召喚権も使用しないので墓地に意図的にカードを送ることはメリットになりやすいです。*3
この段階で場には充電池メン2体と太陽電池メンが居ます。これで「漏電」の使用条件を満たしたので「漏電」でミスラによって相手フィールドにおかれたトークンもろとも盤面を掃除しましょう。
そして、電池メンが場に3体居るので手札の「燃料電池メン」の効果が利用でき、特殊召喚できます。さらに特殊召喚されると「太陽電池メン」の効果で場にトークンを1体特殊召喚します。
なんとこれで自分の場には5体のモンスター、相手のフィールドはがら空きになりました。
そして攻撃力は「充電池メン」が効果によって3300になり2体、「太陽電池メン」が1500、「燃料電池メン」が2100なので合計して10200です。
つまり、漏電で相手のフィールドを空っぽにしてるので攻撃が通れば勝ちという状況にできます。このようにまずは相手からの妨害が一切ないときにどうやって勝ち切るかの回し方を覚えましょう。
電池メンはシンプルな特殊召喚がメインのデッキですが、シンクロ召喚・エクシーズ召喚・リンク召喚・ペンデュラム召喚など様々な召喚方法が絡んでくるデッキもあるので基本立ち回りはインターネットで調べてみてから触るのがいいと思います。
起点までたどり着く方法を覚えよう
起点とは回し方のスタートになるカードのことです。上の例で言えばミスラがと充電池メンの2枚があたります。
デッキ構築において起点のパターンは多い方が一般的にはよく、起点は少ないカードで作れるほうが良いと言われてます。
起点となるにはカードが何枚必要か、手札になかった場合に引き入れるリカバー手段などがあるかといった観点はデッキの強さに直結します。
よく強いテーマと呼ばれるテーマは起点に必要なカードが1枚で済んだり、リカバー手段が豊富にあったりするので起点を作れない手札のときにどうやって起点まで持っていくかの回し方も同時に覚えるといいと思います。
相手の妨害を想定しよう
勝ち筋を覚えたら次は相手がその勝ち筋を潰してきたときにどう回していくかの経験を積みましょう。
現代遊戯王で全く妨害されずに自分のやりたいことを押し通せることは稀です。
強いて言えば相手の場になにもない先行の1ターン目が1番のチャンスですが、先行の1ターン目は攻撃できないので相手にターンが渡ります。
仮に先行1ターン目で自分の場を固められても相手のターンでそれを崩されてしまっては元も子もないです。
なので、崩されないような場を作らなければなりません。
例えば、上に書いた「漏電」のようにフィールドのカードを破壊する魔法カードに対して「破壊されない効果」を持つモンスターを出しておいたり「魔封じの芳香」のように使うことに制約をかけるカードを発動しておいたりするなどです。
後攻なら相手の場のモンスターの効果や、伏せカードへの警戒などをせねばならず、これらをどう対処して自分に有利にしていくかを考えることはカードゲームの魅力の1つと言っても過言ではないと思います。
「ハーピィの羽根帚」や「サンダーボルト」と言ったかつての禁止カードも今は制限カードになっているので入れておいて損はしないと思います。
相手を妨害しよう
前の項で「相手の妨害を想定しよう」と書いて、相手の妨害を想定してフィールドを固めておくというのは裏を返せば「相手を妨害してやりたいことをやらせない」ということです。
残念ながら僕の電池メンデッキでは相手の妨害を防ぐようにフィールド固めることはほぼできないので、場に出てると相手の動きに圧をかけられるカードを1枚例として出しておきます。
このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールドのカードを全て墓地へ送る。この効果は相手ターンでも発動できる。
なんかすごいこと書いてありますね。このカードが場にあるとどんなにモンスターを展開しても効果を発動されると一瞬で墓地行きになってしまいます。
つまり相手は「このカードを場から引き離したり効果を使えなくしない限り場を有利に展開できない」状態になります。
このように相手に自分のフィールドの状況を返す手立てを作らせないようにフィールドを構築するのが大切です。
先行1ターン目の相手を妨害しよう
さて、自分は相手の妨害を想定して有利に展開し同時に相手の返しを妨害するフィールドを構築するのが大切というのはなんとなくわかりました。
では自分のフィールドが何も構築できていない相手の先行1ターン目はどうでしょうか。基本的にはやられたい放題になってしまいます。
先行1ターン目にやりたい放題されて妨害の準備もきっちり固められた状態でターンを渡される状況は割と良く起きます。
というのも、先行1ターン目でガチガチにフィールドを固めて相手に何もさせないようにしてターンを渡すのは現代遊戯王の勝ちパターンの1つだからです。
これに対処するにはTwitterでも話題になった手札誘発を利用するのが一般的です。
散々Twitterでも話題になった「うらら」と呼ばれているのはこの手札から相手のカードの効果を無効にする効果を持つカードです。
このカードがなぜ強いと言われているかというと「先行1ターン目に相手が起点のためのサーチや特殊召喚などを潰せる」からです。
起点を潰すということはそのターンのやりたいことをスタートさせないということなので決まれば大きなアドバンテージになります。
だからこそデッキテーマに関わらずこのカードを採用しておいて損しないと言われています。最初の5枚に引き入れておけば何もできずに負ける確率を下げることができます。
とはいえ、起点を的確に潰すには相手のデッキの起点となるところを的確にうららで潰せるようにならないといけません。
こればっかりは対戦経験を積んで色々なデッキパターンの起点を覚えるしかありません。最初のうちはとりあえず打っとけくらいのノリで打てばいいと思います。
暇と何もできないで負けるマッチに慣れよう
現代遊戯王の回し方は1ターンに大量のカードを使うことが多いです。つまり回り始めてしまうとかなりの時間を要します。
相手の使うカードを眺めて学ぶのもいいですが、何分も自分のターンが来ないので回り始めたらスマホゲームのデイリーでも消化してるといいと思います。
そしてそういうときはだいたいめちゃくちゃ不利な状況で自分のターンが来ます。
ちなみにサレンダーではデュエルパスのポイントが入らないので負け確定の状況で相手が何分も展開するのを待つのに耐えられるならちゃんと殴られて負けたほうがお得です。
最後に
マスターデュエルは今リリース直後の大盛りあがりで新規に始めた人がこぞってインターネットで強いテーマを調べて構築して戦っています。
いわゆるファンデッキにはなかなか厳しい環境な気がしますがプレイヤー母数が非常に多いので全く勝てない環境でもない気がしています。
最初にも書きましたが勝てない対戦ゲームはモチベが続かないタイプの人は大人しく強いテーマを組むといいと思います。
ちなみに電池メンでもプラチナには行けました。なぜなら太刀打ちできない強いテーマと当たらないで5連勝できたからです(偶然)
そしてマスターデュエルを機に復帰した人にとって最も大切であり必要なのはSNS集団幻想によって生み出された原作と違うバンデット・キースのような優しくレクチャーしてくれる友達です。