オタク6人で現代ミニ四駆に入門してきた
発端
「大人になったら子供の頃にお金の問題とかで遊び尽くせ無かった遊びしたくね?」
参加者
アイマスをきっかけに知り合ったオタク6名。ミニ四駆を小学生ぐらいに経験したのが半数くらいで、ブランクはだいたい20~25年くらいです。
1人だけちょっと詳しい奴。こいつに大体のことは任せて開催してもらいました。
会場
Mini4wd Geeks三ノ輪橋駅前店さん
貸切で利用することもでき、事前に連絡しておいたらパーツの仕入れもしてくれました。
ほぼほぼ初心者の僕らにステップアップとアドバイスと現代ミニ四駆事情を教えてくれたので楽しめました。
レギュレーション
B-MAXルールというのを採用しました。
雑に言うと高度なパーツ加工なしのポン付けに近い状態での速さを競うルールです。
さらにここに経済力バトルを起こさないように本体・モーター・電池やグリス等消耗品を除いてパーツは3000円までというルールを独自に制定しました。
キット選び
今回の集まりの基本理念は「童心に返る」です。
速さを競うモータースポーツの側面がある以上、ベースとなるキットで有利不利があるらしいですが今回は思い出補正を是として選びました。
僕が選んだキットはシャイニングスコーピオン。いつか触りたいなぁ~と思って欲しいものリストに入れていたら先日の誕生日にいただきました。
SFCのシャイニングスコーピオンを遊び、ソフト特典のボディも持っていた身としてはやはり思い出の1台です。
あのゲーム、隠しステータスが1番重要という小学生にはちょっと難易度高すぎる仕様でしたよね。
そして思い思いに選んだキットがこちら
素組み
さて、キットが決まったらまずは素組みをします。
説明書の通りに作っていきますが、子供の頃とは大違いの手の大きさになったので「あれ?こんなに細かい作業多かったっけ?」とか、当時と全然違う構造やシステムになったシャーシを見て技術の進化を感じたりしました。
ミニ四駆に説明書にはネジ類の実寸台の絵が付いており、見た目でわからないモノを絵と合わせることで判別できるという大変優しい機能が付いてました。
普段触るエアガン関連には説明書が無いものも多く、ネジの規格などもわからないことが多いのでこの仕様には感動しました。
そして素組みをしたのがこちら
これに付属のノーマルモーターと電池を入れて試走させてみて動くことを確認したらまずは完成
デカール貼り
さて、真っ白なボディでは味気ないので付属のデカールを貼ります。
貼る位置のガイドはないし、曲面に貼るため歪んだりとかなりの難易度であちこち歪んで大変なことになりましたがなんとか完成
ここまでの作業で1時間ちょっとくらいかかりました。説明書とにらめっこしながらだったので慣れてくるとすぐに作れそうです。
改造をする
モーターを選ぶ
さて、まずはモーターのパワーアップです。
会場のスタッフさんが丁寧にモーターの特徴について教えてくれました。
参加者はほぼほぼ初心者なのでまずはチューン系モーターにして問題点を1個ずつ潰していくのが良いだろうと……
って言って素直にチューン系選ぶ連中じゃありませんでした。僕以外。
こと勝負事ですから他の参加者は無難じゃ差を付けられないとパワーダッシュ、ハイパーダッシュ、ライトダッシュを選択。
僕はまずは完走させることを目指した僕はアトミックチューンを選択。
結果的にこれが勝負の分かれ目となりました。
というのも、スタッフさんいわく「ミニ四駆の速度は9割がたモーターとバッテリーで決まる。なのでより速くするならモーターの交換が1番。同じモーターでタイムを良くするなら残り1割の非常に面倒くさい調整が必要になる。」そうです。
つまり、上限値が他の参加者に比べて低いアトミックチューンを選択した時点で完走は容易だが上澄みがないのです。
さらにスタッフさんが「お客さんたちがやってたころのミニ四駆はコースもシンプルだったのでパーツを外したり軽くして速さを伸ばすのが主流だったけど、今はコースも複雑化、モーターの出力もあがってマシンの基本速度が上がっているのでマシンの制御を主眼においてパーツを増やして安定させるのが主流」と教えてくれました。
言い換えるなら「弱いモーターをあの手この手で伸ばすより強いモーターを抑えるほうがやりやすい」というのが現代ミニ四駆ということでした。
ということでモーターを交換したので走らせてみたら見事にコースアウト。次のマシンを制御するステップにしていきます。
ちなみに、パワーダッシュを選択した参加者は最後のレースで完走できなかったので大出力を制御するのも一筋縄じゃいかないなというのを目の前で見せられました。
ライトダッシュ組は完走していたのでライトダッシュあたりを選ぶべきだったかなぁと思っています。
ファーストトライキットを装着する
続いて改造の第一歩としてファーストトライキットというのを付けていきます。
FM-Aシャーシ用ですが、ビス止めの場所が変わるくらいでシャイニングスコーピオンのスーパー2にも付けられるとのことでした。
ただし、フルカウルミニ四駆シリーズだとフロントステーがボディに干渉してしまうため、ボディの改造をするかステーだけはフルカウルミニ四駆対応のモノに変える必要があるらしいです。
このキットにには前後のステーとローラー、そしてマスダンパーが入っています。
マスダンパーは25年くらい前にはなかったパーツですが、立体交差が当たり前のようにある現代ミニ四駆では重要なパーツで、浮いたマシンの接地時の衝撃に対して制振効果があります。
FRP製のステーは厚さ1.5mm(ここが超重要)でマシンの剛性を上げる目的もありますが、それ以上に90年代から主流となった「たからばこセッティング」と呼ばれるモノを再現するために使います。
この知識は3年前に超速GPをやったときに覚えたので知っていました。
説明書どおりに進めていくとスタッフさんの言う「最初の関門」であるスタビポールの取り付けが本当に難しかったです。
パーツセットにある赤い球体をネジのてっぺんに刺すのですが、これがなかなかハマっていかないです。付属のゴムパイプで抑えながらネジ側を回してみたり、逆に手でグリグリとねじ込んだりと試行錯誤してやっとはめ込みました。
同じ要領でリア側も付けて試走させると再びコースアウト。次の改造ステップへ行きます。
ブレーキを取り付ける
さて、先程のとおり現代ミニ四駆にはコースのアップダウンが付き物です。そして下り坂でスピードがありすぎると当然飛びます。
ブレーキはその名の通りスピードを抑えて飛ぶのを防止するパーツです。
これをリアステーに組み込んでいきます。
まずはスポンジを付けずにブレーキを取り付けて走らせると完走する率が上がったので次のステップへ。
引っ掛かりを防止する
コースアウトの理由を観察していると「引っ掛かり」というモノが起きているというのがわかりました。
引っ掛かりとはおおまかにはコースの壁がちょうどパーツの合間に挟まってしまったりなどで走れなくなってしまう状態を指すようです。
今回行ったのは挟まってしまうような隙間を減らすための改造です。
これをリアステーの1番下に装着して隙間を埋めます。
なんだ、簡単じゃんと思ったらここからがパズルの始まりでした。
リア構造のパズル
さて、ここまで紹介しただけでも「ファーストトライキットのリアステー」「ブレーキ」「引っ掛かり防止」と3つのパーツをリアに装着することになります。
リアステーをシャーシに固定する穴は2点止めで1箇所。3つをキレイに装着するにはどうすればよいか?というパズルが始まります。
各パーツの説明書にある装着方法はそのパーツだけを付けるときの方法なので複数のパーツを付ける場合は話が変わってきます。
ここで最初に書いた「FRPプレートは厚さが1.5mm」というのが重要になってきます。
「3mmのスペーサーを挟む」などの付け方になっているパーツに対して追加のプレートで1.5mm場所を取るのだからスペーサーを1.5mmに調整するといったパズルと、それを固定するためにはビスの長さがどれだけ必要か、どのように止めればよさそうかというパズルがあります。
これをこねくり回しているときに「ひょっとしてビスをいくつも用意しておくのがめちゃくちゃ重要なのでは?」と気づきました。まさかエアガン関連以外でもネジの西川のありがたみを感じる日がくるとは。
が、今回は買ったパーツ付属のビスを使うので試行錯誤した結果、マスダンパー用の長いビスを通してナット止めするという方法で解決しました。
幸い、マスダンパーなしでも完走できていたのでこれでマスダンパーが必要になっていたらパーツの買い足しだったと思います。
完成
最後に各所のグリスアップも再度して完成
フロントカウルは前述のとおりフロントステーを変えないと取り付けられなかったです。
いざ6人でレースへ
最後に6人ともマシンを組みきってレースへ。
試走中にフロントのスタビポールが折れ曲がるというアクシデントがありフロントを作り直したりしたので僕はコレ以上の改造はできませんでした。
他の参加者はモーターの出力に振り回され、マスダンパーやブレーキスポンジの取り付けなど安定性への試行錯誤をしていたようです。
3レーンあるコースなのでタイマン勝負3戦で勝った3人と負けた3人でレースをして順位を決めます。
僕のタイマン相手は主催のマシン。1戦目は両者コースアウトで再走。再走レースでは僅差で敗北して負け組へ。
負け組レースでは無事完走するも2着。1人はパワーダッシュモーターを制御しきれずコースアウトしたので最初の「まず完走を目指す」の目的は果たせた形になりました。
こうして総合5位となりました。ちなみに優勝は主催のマシン。やはり前提知識があるからかローラーのカスタマイズまで手が届いていて格の違いを見せつけました。
完走した感想
友人たちとほぼ横並びの知識から黙々とマシンを組んで試行錯誤するのはめちゃくちゃ楽しかったです。子供の頃のJCJCがある友たちの家に集まって遊ぶ感覚を思い出させてもらいました。
一方で、大人になるまでに得た知識がミニ四駆というおもちゃであると同時に工業製品としての理屈の部分への理解度を格段に上げており、当時わからなかったこともわかるようになっていたのも楽しかったです。ベアリング系ってあんなちっさいのになんでこんな高いんだよとか子供の頃は思ってました。工作精度すごい。
今回かかった金額は6時間貸切の場代3000円とマシン+モーター+パーツでだいたい7千円くらいでした。サバゲ1回行くのとトントンくらいなのでアクティビティとしてはかなり有意義なモノでした。
次回をやるなら今回のマシンをさらに詰めるところからスタートできるので、さらに1コステップアップした遊びにできそうです。まずはモーターの交換。
さぁみんなも童心に帰ろうぜ!